himajinfurafura

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BORDER

「人は死んだらどこに行くんだろう?」

ちょっと前に見て面白かったなと思ってたんだけど、あれは2014年だったんですな。

いやぁ、時間が経つのはあっという間ですね。

見る時間が少しできたので改めて見てみました。

 

かつて事件が起きた周囲を回っていた際にたまたま犯人を捕まえたことから刑事の石川は事件が起きた際は必ず周囲を回ることを儀式としていた。

元刑事が撃たれた事件に対していつも通り周囲を回っていた石川は怪しい人物をみつける。路地を歩くその人物を追い、声をかけた瞬間、彼の頭に銃弾が撃ち込まれた。

石川は死んだ。

かと思われたが、彼はその弾丸を頭に残しつつも一命を取り留めた。

幸いこれといった障害もなく、退院して復職した石川。

復帰戦は新興宗教に傾倒する家族の一家殺害事件だった。

殺害の現場に赴いた石川は突然の頭痛に襲われる。

頭痛が治まって目を開けると殺害されたはずの夫婦が目の前に立っていた。

「私たちを殺した犯人を捕まえてください」

事件で最も疑われたのは殺害直前にもめていた宗教団体の組員。

しかし亡くなった家族が告白した犯人はほぼ本人たちと接点のなかった近くのマンションに住むフリーターだった。

石川は独自に死んだ家族からの情報と裏の情報屋を使って本物の犯人を追い詰めていく。

 

刑事もののセオリーは「被害者は何故、どうやって殺されてしまったのか」が大体のテーマになりますが、この作品ではそのいずれもすでに分かった上で実際ある証拠からはたどり着けないもしくは落としきれない犯人を追いつめていく刑事の姿を描いています。

1話完結で一つ一つの事件が巧妙に証拠が消されている中、時には証拠を作ろうとしてまで事件を解決しようとする石川は徐々にその手段を選ばなくなっていきます。

正義と悪との境界、生と死との境界。

その境界の瀬戸際で彼は何を選ぶのか。

 

闇の世界で生きる人間とかベタで便利な人たちが少しコミカルな要素にもなっていて全体的にシリアスな設定に安息感が与えられており、良い緩急がついた作品なのかなと。

一般的な刑事ものの「肝」となる部分が分かった状態でストーリーを進展させるのに内容が単調になる訳でもないのはすごいですよね。

個人的には毎回出てくる冒頭に綴ったセリフがとても刺さります。

生きるとは何なのか。死ぬとは何なのか。

職業柄もありますが、いつも悩ましく思うこの問いに、もちろん答えを与えてくれる訳ではありませんが、改めて考えさせてくれる良い作品でした。

 

見る人が見たら後味の悪いドラマの最終回かもしれませんが、そのラストの後を描かれたスペシャル版が2017年に放送されています。

うまくまとめられてはいますが、個人的にはなくても良かったかも。