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仮面ライダー龍騎

少し前にも書いたかもしれませんが、仮面ライダーシリーズは好きなのです。

昔気になっていたけど見れていなかったものとかを見るとちょっと新鮮な気持ちになれるんですよね。

そんな中で今回見たのが「仮面ライダー龍騎」です。

 

いわゆる「平成仮面ライダー」の3作目。

シリーズの流れを見るとここでぐっと一作品中の仮面ライダーが増えるんです。

「増えりゃいいってもんじゃないだろ」と内容を見るまではそう思っていたんですが、ちゃんと一人一人のキャラクターが描かれているのがこの作品のいいところです。

 

13人の仮面ライダーが戦い合い、生き残った最後の一人に願いを叶える力が与えられるというのが鍵となる設定であるこの作品。

仮面ライダー同士が戦い合うのが、「主義主張」に関係なく、「前提」となっており、

この「前提」の上にそれぞれの展開される「主義主張」がまた映えてくる訳です。

主なライダーをご紹介させていただきます。

 

まずは主人公の龍騎。この世界において仮面ライダーは変身に必要なデッキを持つことと力を持ったモンスターと契約することが必要な条件な訳ですが、見習い記者である主人公の龍騎はたまたまデッキを拾い、たまたまモンスターと契約できたという異色性があります。この異色性は大事なポイントで他のライダー達は何らかの強い願いを持ってライダーに選ばれているのに対し、彼には特別な願いはありませんでした。ただ彼は「前提」である「戦うこと」に終始抵抗し続け、周りのライダーが戦うことを止めようとするのです。龍騎を一言で表すなら「戦うことを否定し続けたライダー」と言えるのではないでしょうか。時にその決意を挫いてしまうことがあっても彼の行動はその「戦場」を変えていったのです。

2号ライダー。仮面ライダーナイトです。仮面ライダーシリーズを通して序盤に出てくるコウモリタイプの怪人と同じコウモリがモチーフになってるのは興味深いですよね。

クールで器用だが、人当たりは悪い彼は事故で意識不明となってしまった彼女のために戦い続けます。シリーズ中では初回から登場。始めは戦おうとしない龍騎にも容赦なく襲いかかっていましたが、戦いのカギとなるヒロインに咎められてからは徐々に龍騎に影響され、彼本来の優しさが垣間見せるようになります。一人のために全てを犠牲にする覚悟を持ち、戦いにこだわり続ける姿は"knight"の名に相応しく、"night"の暗さも感じさせました。

 

S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーゾルダ

S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーゾルダ

  • 発売日: 2012/04/14
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

恐らく初の射撃メインのライダー。仮面ライダーゾルダ。ナルシストな敏腕弁護士である彼の願いは自身の「永遠の命」でした。この一文だけだとただの嫌なやつですね(笑)

知性を感じさせる側面を見せつつ、女性にはだらしなく、そんな彼をサポートする強面で物静かな助手との掛け合いが時にコミカルで龍騎やナイトにはない要素を補っていると言えるかもしれません。彼はビジネスライクなふるまいを見せつつも自暴自棄になる龍騎をいさめる大人な一面を見せるなど彼自身の「枷」を表に出さずに「彼らしさ」を示し続けました。

 

S.H.フィギュアーツ 仮面ライダー王蛇

S.H.フィギュアーツ 仮面ライダー王蛇

  • 発売日: 2011/12/29
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 彼を「ライダー」として認めてよいのか?そんな議論を呼んだとも言われている仮面ライダー王蛇。彼は主人公と対照的な存在と言えるでしょう。特別な願いは持ち合わせないものの「戦うこと」を求め続け、その毒牙が多くのライダーを葬っていきました。何故戦いにこだわり続けるのか、「イライラする」その一言だけが作中で示された彼の戦う「理由」でした。元々投獄されていた彼は龍騎の「思い」に染まりつつあった戦場を塗り替える為に投入され、その役割を果たし、自らの欲を満たすために戦い続けました。

 

他にも「英雄」になることにこだわり、その大切なものを失うことをいとわず目的を遂げる英雄像を曲解して自身の大切なものを壊し続けた仮面ライダータイガ。

亡くした友の犠牲を無駄にしない為に、外れない自身の占いの結果である「運命」に抗い、その道を自らの犠牲で切り開いた仮面ライダーライア。

S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーライア

S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーライア

  • 発売日: 2012/06/23
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

ライダーの世界を知らないながらも戦いの世界、ミラーワールドへ消えていく人々に気付き、その真実を求め始めた記者たち。

更に4人のライダーもが交りあう物語となっています。

(ちなみに残る3人は映画版とかスペシャルで出てきます)

 

多くのキャラクターが描かれつつも煩雑になりすぎることなく、構成力の高さがうかがえました。

それぞれの「戦う理由」が何なのか、劇中では「そこに正義はない」と語られます。「戦い」に「正義」はない。戦いに対するアンチテーゼがこの物語の主軸であると私は取りました。しかしながらそれが必ずしも正解ではないかもしれない。なぜなら「戦う理由」は人それぞれなのだから。

改めて見ると子供にはやや難解な印象ですが、逆に大人にこそ見てもらいたいそんな作品でした。

自分の「戦う理由」に見つめ直したいあなたに。